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子どものままでは、いられない

これも配達先での話。

私が配達員として、お客の住まいに商品を持って行ったのだが、今回のお客は、子どもに私とのやりとりを任せていた。

 

小学校1、2年生くらいの男の子だった。

親は私から商品を受け取ると、そそくさと家の中へ入っていき、それっきり戻ってくることはなかった。

 

商品を早く開封したかったのか、

子どもの訓練をさせていたのか、

それとも他の理由があるのか、

私にあの親の意図はわからない。

 

しかし、その少年は、

「ありがとうございます、ありがとうございます」と

何度も何度も繰り返していた。

 

私は、

その少年の、雰囲気にのまれていた。

 

 

 

その家の扉を閉め、車に乗り込もうとしたとき、

その家の方から声がした

 

「ーーーってください」

さっきの少年の声だった

 

 

よく聞き取れなかったので、聞き返した

 

すると返ってきた言葉は予想もしていない言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

「がんばってください」

 

 

 

 

 

 

耳を疑った

 

これが小学生の言える言葉なのか

 

 

 

 

 

 

 

 純粋無垢な子どもから出た言葉

 その一言に嘘はないと私でもわかった

 「がんばってください」

 扉を閉めた後、わざわざ扉をあけてまで私に言ってくれた言葉

 

 

 

 子どものままでは、いられない

 大人になるにつれて、人間は知識をつける

 それを良いことに使う人間もいれば

 間違った方向に使う人間もいる

 

 間違った方向へ行かないために、

 人間は知識をつける

 

 

 

 行動とは、考えが具体になること

 

 

 考えとは、思想のこと

 

 

 思想とは、知識からくるもの

 

 

 

 

 行動には、その行動に至るまでの思想がある

 考えがある

 狙いがある

 意図がある

 

 

 

 

 子どものままでは、いられない

 

 

 

 でも、子どものころのあの純粋な

 考えるより先に行動があった

 あの頃の心は

 忘れたくない

 

 

 忘れないでいたい

 

 

 

 

 あの少年は、私にそれを思い出させてくれたのだろう

 感謝する、少年よ